母さん(高次脳機能障害)の日々

母さんからのメールを息子が転記。ピンク字は息子注記。

20.03.27(金) 次男_気づかされたこと

母さんが発病のあと、始めた趣味がジョギング。今でも楽しみながら続いている。

 

表面的なきっかけは、長男が自分のお店のお客さん達とマラソンに出ていたこと(長男は小さなお店をひとりでやっていた)。

3、4ヶ月に1回、母さんに会った帰りに長男の店に寄るのが慣例で、その時お客さんと話をする中で、自分も出場することになりジョギングを始めた。

 

でも本当の理由は、母さんが発病して不自由になったことだと思う。でないと話が出ても始めることはなかった。

母さんが不自由になった衝撃はやはり凄い。ウザくても育ててくれた母さん。あんなに家庭に仕事に頑張り続けたのに、子供達が手離れして自由になって、やっと毎日を楽しんでたのに、えげつない展開やわ、と思った。

介護のしんどさは、身体的なものもあるだろうけど精神的なしんどさも大きい。母さんが不自由になったことを、なかったことにしたい自分がいて、でもそれは現実ではなくて、その乖離を近づける、気持ちの整理の大変さは、地味にしんどい。

でもそのしんどい過程を経る中で気づきがあって、それは「とにかく今を楽しまないと」だった。きっと自分も最後は不自由になる。

 

自分の意思でやりたいことを選べるだけで素晴らしいし、普通だと思っていた日常が普通でなくなることがある。母さんに気づかされた。

 

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